業務用の食品容器はそのほとんどが惣菜や弁当などに用いられています。一回限りの使い捨てを前提にしている物なので、素材も量産できる安価な物が選ばれていると言えるでしょう。もっとも多用されている素材がプラスチックです。石油樹脂から作られた化学製品であるプラスチックは量産が可能である他、様々な形状に加工ができるので業務用の食品容器に欠かせない素材と言えます。
手のひらサイズの小さな容器からテーブルを塞ぐほどの大きなサイズの容器まで、多種多様なデザインに加工できるのが特徴です。軽量で持ち運びが容易なことも広く普及した理由になっています。一方で自然分解せず、形を変えないごみとして環境破壊の一因になっている事実は否定できません。スチロール材はプラスチックと同様に石油樹脂から作られた素材で、加工や量産が容易な点が共通しています。
プラスチックよりも軽量なのでより扱いやすいものの、衝撃や圧力に弱い欠点もあることからカキ氷用のカップなど用途は限られているのが実状です。プラスチックが普及する前は紙や木が業務用の食品容器に使われていました。どちらも森林が多い日本において入手しやすい素材だったことが普及していた理由です。燃やすごみとして処分できたことも利点ですが、プラスチックとは異なりデザインがやや限られていることや量産が難しいことから次第に市場での需要が縮小するに至りました。
しかし、自然の温もりを感じさせることや石油樹脂を使わないなどの理由から再び需要が増加しています。